古書

10.人類2,200年の夢

それは2,200年を超えるかもしれない。現在残っている最も古い書物から、今から2,200年前のBC200年頃の中国で最初に国を統一した、秦の始皇帝が富と権力を手に入れ、最後に望んだのが彼の寿命を長くする「不老長寿」の薬、又は処方だったと文献に残っている為、それは2,200年の夢としたが、人類が地球上に生存し富と権力を手にした者が、秦の始皇帝以前に存在したならば、おそらく同じ望み、夢を持ったはずである。

それ故、それは人類の歴史数十万年の夢だったかもしれない。それが老化を遅くする、或いは老化を防止する事である。しかしそれはまた、永遠の命ではなく、天から与えられた生命時計が示す、最大限の長寿である事には変わらない。その人類の夢を叶える為には、今までの考え方や手法を変えなければいけない。次元を超えた「発想」と「能力」が必要となる。

私は発明家と同時に科学者でもあると、自分では思っている。科学にはその限界と、それを打破する道が必ずある事を知っている、数少ない科学者の一人でもあると思っている。科学には、論理的思考を積み重ねて辿り着く科学と、そうではなく、その論理性とは関係なく、今まで不可能と思われていた事を、今までとは全く異なるアプローチで、突然それを可能にする発想の科学、すなわち理屈で説明できない科学に気付く、科学者の一人であるとも自覚している。

その「発想」の科学の一つが、人類が2,200年以上昔から望んで得られなかった「不老長寿」を実現する科学である。単純に言うと、人の細胞の酸化劣化を防ぐ、とりわけ血管内の酸化を防ぐ、つまり、その原因物質と言われている活性酸素の働きを、抑制する科学である。私はその人類2,200年の夢を今、実現しようとしている世界で数少ない科学者の一人と言える。私には、研究している仲間の科学者が他に3人いるので、正確にはその科学を発案した一人であると言える。

「必要は発明の母」と昔から言われている。中国を世界で最初に統一した秦の始皇帝は、その晩年、ほぼ全ての富と権力を手中にし、最後に望んだのが自分の「不老長寿」であった。当時5万人の部下を世界中(当時は中国及び周辺国が世界と思われていた)に派遣し、不老長寿の薬を探させ、その中で朝鮮半島に行った者が持ち帰った物が、朝鮮人参と言われている。

それ以来、朝鮮人参は細胞の活性化に役立つ唯一の薬として、又、健康食品として珍重されて来た。日本の江戸時代では唯一の効果が高い薬として、その栽培は徳川家の直轄領やその家族である松平家の藩である、信州長野、会津、出雲でしか栽培は許されず、幕府の貴重な財源にもなっていた。

その「朝鮮人参」の中の成分である「ジンセノサイドRG1」が、人間の細胞の寿命を17%程度長くする事が科学的に証明されたのは、ほんの20年程前に日本人の科学者の研究結果であり、現在においてもこのジンセノサイドRG1の効果以上に人間の長寿に寄与する発見はされていないのが実状である。