第24回 マイクロダイアリシス研究会(2013)

第24回マイクロダイアリシス研究会への研究発表(2013年)

概要

お茶の水女子大学で開催された第24回マイクロダイアリシス研究会(2013年12月14日)で、PTを使用して血液中の血小板の経時的凝集能の低下改善に成功したことが奥羽大学薬学部小池勇一教授より研究発表されました。

目的

PTは水道の赤水の原因である鉄錆(酸化鉄)を還元し、水に不溶性の還元鉄として浄化する装置である。上水配管に装着し、水に電磁波が当たる仕組みになっているが、電気などのエネルギーを一切使用せず、配管に装着するだけで効果を発揮する。このPTの還元作用を生物に応用すると、生体の酸化反応により惹起こされる諸々の酸化ストレスを除去あるいは、軽減することができる可能性があると考え、本研究を行った。

方法

PT:ヒトへ応用するため、指に電磁波をあてる装置(NOMOA:日本システム企画)を開発した。
In vivo実験:①dROMとBAP(酸化ストレスマーカー)の測定:ヒトの人先指を10分間NOMOAに挿入後、採血し、血漿のdROMとBAPをFRAS4(ウイスマー社)を用いて測定した。②マウスの行動量の測定:PT(PT-50DS:日本システム企画)に雄性マウス(30g)を自由に動ける状態で放置し10分後、PTから取り出し、行動量測定装置(スーパーメックス:室町機械)に移し、行動量を24時間測定した。③ラット脳内灌流実験:SDラットを用い、扁桃体に直管型マイクロダイアリシスチューブを挿入固定し、ストレス負荷前後の脳内NOの変化を観察した。

In vivo実験:

①血小板への影響:ヒトから採血により多血小板血漿(PRP)を作製し、写真のようにPT(PT-20DSとPT-30DS:日本システム企画)内にPRPを入れ、血小板が沈殿し凝集しない程度に14時間、室温で震盪させた。その後コラーゲンによる血小板凝集の最大値、lagtime、NOの放出量を測定した。

②NOの測定:ENO-200(エイコム社)を用い血漿中の濃度を測定した。倫理規定:本研究は倫理委員会の承諾を得ている。

結果

ヒトの指に10分間、NOMOAを装着するとdROM値が有意に低下した。しかしBAP値には変化がなかった。In vitroコラーゲンによる血小板凝集は、採血当日の凝集能は60%と差を認めなかったが、14時間放置すると、凝集能が45.5%と低下した。これに対しPTを装着したPRPは51.4%と有意(P<0.4%)に凝集能を保持した。またLagtimeも有意に短縮することが明らかになった。このときNOの合成能を調べると、PTを処理した血小板からのNOの放出量は対照に比べ多く、血小板のバイアビリティーの保持が示唆された。

考察

PTの電磁波の照射により、水を還元状態すると考えられるが、In vivo実験で、ヒト血液に作用させると酸化ストレス値が低下することがわかった。In vitro実験では、血液の血小板に及ぼす影響を検討したが、血小板のコラーゲンによる凝集能の保持とNOの合成能の保持を有意に延長することが明らかになった。

結論

PTは酸化ストレス・リムーバーとして利用できると考えられる。

研究者紹介

奥羽大学薬学部薬物代謝学科:小池勇一
奥羽大学薬学部生化学科:山本正雅
奥羽大学薬学部薬化学科:中楯奨
日本システム企画株式会社:熊野活行、上女鹿昇
奥羽大学歯学部歯科薬理学科:寺澤理恵、米原典史

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