血管

8.人は血管と共に老いる

何故人は血管と共に老いるのだろう?

子どもの時、青年の時、私はどんなに遊んで疲れても、或いは運動して疲労感があっても、一晩ぐっすり寝ると必ず回復した。30代を過ぎ、特に40代を過ぎた時に、前日の疲れがまだ回復しきれず残っていた事に気付く人も私だけではないと思う。何故、加齢と共にこの疲労感の回復力が低下するのだろう。

最大の理由は、体を構成している各細胞に対するエネルギーの補給能力が低下すると同時に、不要になった老廃物の排出能力の低下が原因であると言われている。この働きをしているのが、動脈及び静脈の血管である。つまり、血管の機能低下により人は老いるのだとも言える。

では、どうして血管の機能低下は起きるのだろうか。人は体の大きさがほぼ大人になる高校生以降、血管の太さに大きな変化はない。

しかし、血管内を通過する血液量は老化と共に減少する。この最大の理由は、血管内の血液が通過する部分がだんだん狭くなっていることに起因する。では何故、血管内が狭くなってしまうのか?

人間は生きる為に食事をする。食べたものは、胃においてPH3程度で殺菌消毒された後に分解され、小腸及び大腸で吸収され、不要なものは肝臓等で分解除去され、最終的にエネルギー源としての糖分やコレステロールなどと、それを各細胞で酸化処理しエネルギーを取り出す為の酸素を、血管を通し血液と共に体全体に供給する仕組みになっている。

酸素は通常、体全体の細胞に供給する為、赤血球内にヘモグロビンとして取り込まれ途中でむやみやたらに、酸化反応を起こしたり消費されない様になっているが、ここに一つ問題がある。前章でも述べたが、ほんのわずかな量であるが、好き勝手にどこでも無秩序的に酸化反応を起こし、害を及ぼす酸素が血管内に発生してしまう。この酸素はラジカルな性質を持つ為、活性酸素と呼ばれる。

前述したが、この活性酸素の働きを抑制する為には、血管内に水和電子を発生させ、水和電子で、この活性酸素を抑制するしか方法はないと私は信じている。